無音を聴け!(ジョン・ケージ - 4分33秒)

これを聴け!

アーティスト: ジョン・ケージ
タイトル: 4分33秒

このブログでは変わった曲も紹介してきたが、1952 年に世に出たこのクラシック曲はその中でも独特だ。

聴けと言われても聴けない。
なぜなら、この曲は 4分33秒の間、全くの「無音」なのである。

4分33秒間の空白の埋め方はリスナーそれぞれの想像に委ねられているのか、または演奏以外に聞こえる自然音などの「環境」を聴くことを意図されているのか、あるいは無の「静寂そのもの」をじっくりと味わうべきなのか、どう解釈していいのかよく分からない。

おとぎくは今日、某所でこの曲が「演奏」されているのを目の当たりにした。
演者は本当にリスナーの前で全く音を出さずに去っていった。

音楽界が生んだ孤高の一発芸。これ以外の形容は見当たらない。

2011-05-22 Classic Trackbacks::0 Comments::0

イタリアのオペラはいかが (ディ・スタファノ ー - 君に告げて)

これを聴け!

アーティスト: ディ・ステファノ (Giuseppe Di Stefano)
タイトル: 君に告げて (Dicitencello Vuje)

たまには、あまり馴染みのなかったイタリア・オペラを聴いてみた。イタリアの曲と言えば、「サンタ・ルチア」や「オー・ソレ・ミオ」や「フニクラ・フニクラ」などのナポリ民謡は馴染みがあるかもしれない。

ディ・スタファノはイタリア・シチリア島出身のテノール歌手。1940-1970 年代頃活躍した。

この曲「君に告げて」は、河合英明氏の解説によると「内気で愛が告げられず、友人を介して告白する切ない恋の想い」とのこと。このほか、ナポリ民謡には「眠る恋人にキスしたいが起こしてはとウジウジする」様子を描いた「あなたのくちづけを」という歌もある。こうした微妙な奥ゆかしさは日本にもあったと思うが、やはり万国共通で共感できるものだろう。

こうした内に秘められた激情を、ディ・ステファノが濃厚に歌い上げる!


2011-04-28 Classic Trackbacks::0 Comments::0

大賀さん、安らかに (チャイコフスキー - 弦楽セレナーデ)

ソニーの元会長、大賀典雄さんが亡くなった。

映像、音楽、ゲームなど、エンタテイメント界で多大な足跡を残された方だが、このブログでは音楽について主に書いておく。

ハード面では何といってもオーディオのデジタル化。プチプチというノイズが入ったアナログレコードをみんな聴いていた時代、CD を普及させた。

ソフト面でも、日本の会社としてアメリカのレコード会社や映画スタジオを買収した。キャンディーズも山口百恵も松田聖子もドリカムも、みんなソニー系列のレーベルから生まれた。

経営者としては、優秀で個性的なソニーの社員に対してトップとして強いリーダシップを発揮し、ソニーを世界で有数のブランド企業に育て上げた。単なる技術開発に満足せず、技術が最終製品としてどのように生かされるのかをユーザ目線で常に問いかけていたように思う。

音楽家としても、バリトンのプロ歌手として、指揮者として、日本音楽芸術振興会の理事として精力的に活動された。音楽に対する貢献度・影響度は計り知れない。

そんな大賀さんが世の中にもういない。
とても悲しい、残念な気分だ。

ここは小さなブログではあるが、ささやかにこの曲で送り出したい。
大賀さん、これを聴いてください!

アーティスト: チャイコフスキー
タイトル: 弦楽セレナーデ

ベートーベンの第九と迷ったが、この楽曲を選択。

指揮者のカラヤンとの親交が深かった大賀さん。
今日はそのカラヤンの弦楽セレナーデをレンタルして聴いた。

絶品である。元々好きな楽曲だったのだが、この演奏は特に気に入ってしまった。
厚みのあるバイオリンの音色が、うちの安物のスピーカーでも美しく響いている。

いまごろ天国でソニーの創業者である井深さん、盛田さんや親友のカラヤンなどと音楽談義してるかもしれない。

エンタテイメントへのご尽力ありがとうございました。
ご冥福を心よりお祈りします。


2011-04-24 Classic Trackbacks::0 Comments::0

バッハ - ブランデンブルグ協奏曲

今日はバッハの 326 回目の誕生日である。おめでとうバッハ!
というわけで、これを聴け!

アーティスト: ヨハン・ゼバスティアン・バッハ
タイトル: ブランデンブルク協奏曲

「音楽の父」と呼ばれ、ベートーベンやブラームスとともに「3つのビッグB」と称されるバッハ。
多くの作品を残しているが、今回はブランデンブルグ協奏曲を聴いてみよう。

全部で6番まであり、全部聴くと1時間半以上と映画並みの時間を要する。
そんな時間がない時は、「第5番・第1楽章・ニ長調アレグロ」 ブランデンブルク協奏曲 第5番~第1楽章(J.S.バッハ) - ザ・クラシック 70 でも聴いてみよう。

出だしは雄大。バイオリン主体でフルートとチェンバロが絡む。空ならば鳥たちが、海ならば魚たちが、陸ならば動物たちが交互に舞うように。こういう楽器編成で作られたのを「協奏曲」、こういう明るい感じの曲調のことを「アレグロ」って言うんですかね~。メモメモ。

クライマックスは後半である。今まで抑え気味だったチェンバロがいつの間にか前に出てソロを取り、主体性を高らかに表現する。あまりメジャーな楽器ではないかもしれないが、高音主体に宝石をバラまいたような上品な音色を奏でられる弦楽器・チェンバロ。そのソロが放つフレーズはメカニカルに計算したかのように音階上を駆けぬけるものであり、宇宙の物理法則さえも感じさせる。ビックバン以前からこのソロは既に必然として存在したのだ、と言わんばかりだ。そのチェンバロが「もうこれ以上弾いたら壊れてしまう~!」と叫びたくなるような限界点に達するやいなや、突如として先のバイオリンとフルートが再降臨してチェンバロをサポートし、最初のイントロに戻るのである。

その姿はさながら一つの生命を守る雄大な大自然のようだ。至福という言葉はこの瞬間のためにあるのである。
バッハも「がんばろう日本」と言ってくれているようである。



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2011-03-21 Classic Trackbacks::0 Comments::0

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