ミュージック・クリエイターズ・エージェント訪問記 (YMO - Rydeen)

唐突だが、今回はミュージシャンのマネジメント側の話を書く。

今の時代にミュージシャンになるってどうだろう。大手プロダクションと契約しなくても低コストで曲を作ってネットなどでいきなり世界中に作品を配信できるようになったので、多くの人にチャンスは広がっているかもしれない。しかし、ミュージシャンとして自立して食っていくには作曲や演奏以外に細かいマネジメント業務をこなさなければならず、専門知識も必要だ。

こういうマネジメントを誰かにやってもらって、本来の創作活動に集中できないか?

こうした問いに応えてくれそうな場所ができそうだ。渋谷にあるミュージック・クリエイターズ・エージェント(以下、MCA)という NPO 法人(申請中)である。MCA は、ミュージシャンにマネジメント機能を提供するエージェントを目指している。

今回、設立準備会のオフィスにお邪魔し、スタッフの永田純さんに話を伺う機会があったのでレポートする。永田さんは 1979-80年頃に YMO のワールドツアーのスタッフをしたり、矢野顕子のマネジメントを2003年まで19年間するなど、経験豊かなバリバリの業界人だ。「ミュージシャンの役に立つことにより、よりよい音楽が生まれて皆が幸せになるためのお手伝いをしたい」と意気込みを語る。

MCA のコンセプトとしては、以下のように 3つの柱がある。

1. 個人のサポート
MCA は音楽プロダクションなどの企業の業務委託先ではなく、個人が自らの責任で音楽を制作し、発信するための有形無形のプロフェッショナルなサービスとしてのマネジメントを目指す。したがって、サービスの受け手は個人(バンドや個人会社を含む)のミュージシャンである。

2. 東急ハンズのような品ぞろえ
クリエーター目線で必要なサービスは何でも網羅的に提供する、まさに百貨店のような存在を目指す。詳しいサービス内容は下記参照↓。

3. 誰でも相談可能
NPO法人での設立運営形態をとり、プロ/アマを問わず、活動の形態や目的を問わず、どのようなミュージシャンにも均質な公共的で信頼性の高いサービスを目指す。

MCA のサービス内容は多岐にわたっている。(以下は一例)

a. 窓口: 連絡先、スケジュール台帳管理/渉外、請求書発行/入金管理など
b. コンサルティング: Artist and Development (アーティストのアイデンティティ確立)
c. 作る: 原盤や公演(コンサートなど)、グラフィック(名刺、チラシ、ジャケット)などの企画制作。印刷/プレスやグッズ/パンフレットなどの作成
d. 売る: ウェブサイト作成・書き込み、広告制作出稿、プレスリリース、CD/書籍の販売・ネット配信など
e. 守る: 契約書レビュー・作成、渉外、著作権関連、弁護士・税理士・会計士との連携、個人会社運営、福利厚生/保険などの紹介など

気になる料金体系だが、NPO とはいってもサービスは有料だ。例えば、MCA では「音楽配信は一曲あたりの事務代行料 2100円に加えて売上マージン5%」などと決まっている。売れる前の間、金を貸してもらったりツケにするような相談はできないとのこと。:)

このようなサービスにサポートされたアーティストが煩雑な業務から解放され、本来やるべきクリエイティブな活動に集中することでより多くのよい作品を世に誕生することを期待したい。

毎週月水金 15-21時はオープンオフィスとして、MCA のスタッフが無料相談に乗ってくれる(要予約)とのことなので、興味のある人はどうぞ。まだ準備中だが公式ページからコンタクト可能だ。この日も、ヒップホップのトラックを作る若者が来て熱心に質問をしていた。

というわけで、今日は MCA 永田さんが過去に関わったアーティストのこれを聴け!

アーティスト: YMO
タイトル: RYDEEN

YMO (Yellow Magic Orchestra) は、シンセサイザーやコンピュータを駆使した革新性により世界の音楽シーン大きな影響を与えた。RYDEEN は 1980 年にリリースされた代表曲である。鼻歌をテクノポップにしたような仕上がり。

この時代にこのサウンドは超革新的だったが、当時のおとぎくにとっては大人すぎたかもしれない。当時は NEC の 9801 とか 8001 などのパソコンでゲームをするのが好きだったが自分の家にはパソコンがないので、近くの電気ショップに出向いて展示用のパソコンで遊んでいた。その店でよくかかっていた BGM 曲がこの RYDEEN。それでこの曲は自動的にパソコンと関連付けて刷り込まれた。

その後、大人になってひょんなことからアマチュアバンドで演奏することになったが、あの古き良き頃の電気ショップの光景が懐かしく思い出された。



2011-04-20 Instrumental Trackbacks::0 Comments::0

COMBOPIANO - sign of teenager

今日は、渋谷クアトロでの「ジェーン・バーキン 震災復興支援コンサート Together」というイベントの生放送を UStream で見ていた。会場では募金が行われていた模様。

ジェーン・バーキンが日本への支援のために急遽来日してくれて行うことになったイベントだ。会場では彼女以外にも鶴田真由、篠原ともえ、金子飛鳥その多数のタレントやアーティストが入れ替わり立ち替わり出演し、詩を朗読したり音楽を演奏したり踊ったりしていた。全体的にジェーン・バーキンに負けず劣らず日本人勢の存在感が高かったと思う。

その中では、個人的に渡邊琢磨(ピアノ:COMBOPIANO)、原田郁子(ピアノ:クラムボン)、黒田育世(ダンサー・振付師)の 3人ユニットの出来が恐ろしくよかった。このイベントだけのコラボレーションのようだ。渡辺と原田のピアノ連弾の上に、黒田がダンスで踊り狂う。全体ではしっとりした曲の雰囲気ながら緩急も織り交ぜられ、一つの生命体を表現するかのようなダイナミックなものであった。これは UStream でなく実際に観に行きたかった。

というわけで、これを聴け!

アーティスト: COMBOPIANO
タイトル: sign of teenager

このパフォーマンスでピアノを弾いていた渡邊琢磨が率いる COMBOPIANO は、ピアノ・ギター・ドラムで構成されるインストのプロジェクト。この曲 sign of teenager は今日のイベントで演奏されたわけではなく彼らのアルバムにも入っていないようだが、YouTube に出ていて面白かったのでピックアップした。ハードでスピード感のあるビートの上で、反復的フレーズを激しくストイックに展開する。なかなか面白い。



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2011-04-06 Instrumental Trackbacks::0 Comments::0

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