「種からつなげよう~笑ってて」ファイナルライブ

2016年3月11日、種ともこ主催の「種からつなげよう~笑ってて」ファイナルライブが東京・北参道のストロボカフェで行われた。

「種からつなげよう~笑ってて」とは2011年3月11日の東日本大震災をきっかけとして、被災地支援のために種ともこが立ち上げたチャリティライブのシリーズである。
チケット代を低く抑える代わりに募金箱を設置し、ライブ後には種ともこ自らが募金箱を持って立ち、リスナーからの支援を求めている。
集まった募金は半年程度でまとめられ、「種からつなげよう」が選んだ支援先に対して直接支払われてきた。現地に関連したアーティストの出演や、物販なども行われた。

このチャリティイベント、隔月ペースで開催され、なんと震災後5年間で合計30回にもなった。
災害発生から1年経ち、2年経ち、、、被災地への注目度がだんだんと薄れがちな頃になってもひたすら地道に活動し、コツコツと支援を続けてきたのは立派と言わざるを得ない。
一人の支援者が大金を一回投入する形ではなく(それはそれで素晴らしい支援の一つなのですが)、リスナーへの行動を呼びかけ、リスナーや関係者が一体となって協力する形で支援行動を5年もの間続けてきたイベントだ。

その「種からつなげよう」がちょうど5年をもって活動終了することになった。
この日3月11日は、そのラストライブであった。

出演者は種ともこに加え、菅原弘明(ギター)、榎本高(ベース)、葛岡みち(アコーディオンなど)、郷田祐美子(チェロ)、高橋結子(打楽器)。
「種からつなげよう」の過去ライブを見てきた者にとってはオールスター。非の打ちどころのない豪華なメンバーだ。
これまでのライブでは、上記の中から毎回1人だけが登場して、種ともことデュオ演奏をしていた。
ピアノとギター、ピアノとベース、、、など色々あったデュオの組み合わせの常連だったのが上記メンバーだ。アコースティックでシンプルなデュオ構成の音楽はアットホームな落ち着きがあり楽しめた。
(ちなみに、上記以外にも共演者はおられたし、種ともこ出演枠ともう一つのタイバン枠での出演アーティスト各位も毎回おられた)
一人一人が本活動の趣旨に共感して出演してくれていたのであろう。

そして、今までバラバラに出ていた上記メンバーが全員集合。「種からつなげよう」全体を通じて今回が最初で最後のことである。
まさにフィナーレを飾るにふさわしいメンバーだ。

というわけで、このファイナルライブに行ってきた。(本記事は3ヵ月以上も経過してのレポート。)
チケットは発売後まもなく完売。早めに予約しておいてよかった。

まず、会場内の様子。これは今までのどんなライブとも違うように感じた。これは全く個人的な印象かもしれないが、とても特別な雰囲気がストロボカフェ内に流れていた。

言うならば「お葬式」のような雰囲気。
もちろん、このイベントは「お葬式」では全くない、純粋な音楽ライブだ。震災5年後のこの日に関係者などが亡くなった訳でではない。泣く人がいる訳でもなく、ピリピリしている訳でもない。暗く沈んだ感じでもない。エンタテイメントのイベントなので、堅苦しい雰囲気もない。
しかし、その「事の大事さと、全員の受け止め方」がそれに最も近いのではと思われた。

出演者も、観客も、スタッフも、それぞれ全員が凛とし、姿勢を正し、荘厳に、これまでの活動を振り返り、5年間も続いたことの感慨をかみしめ、それを引っ張ってきた種ともこへの感謝の意を抱いているように見えた。あまり言葉は交わさなくても、この日の意味を全員が知っていて前向きに「笑って」共感できているような雰囲気であった。(と個人的には感じられた。種サン、ありがとうございました。)

セットリストも、愛や優しさを感じさせるような、この日にふさわしい選曲だったように思う。出演者それぞれが磨き上げた持ち味のベストを発揮。全ての演奏が素晴らしかった。
個人的には「あいのうた」が特に良かった。古いバラード曲だが、ライブで演奏するのは初だったとのこと。郷田祐美子さんのチェロも素晴らしく、とてもラッキーなものを聴けた。
本ブログにて「おとぎく大賞」(本ブログの年次レコード大賞のようなもの)として選ばせていただいた「笑ってて」「さよなら原発」「岩手山」なども演奏された。

というわけで、今回のライブはとても特別なものであった。
「種からつなげよう」がつなげたものは、まさに人の心だったのではないか。
関係者の皆さん大変お疲れ様でした。

ライブは終了とのことだが、30回にわたる「種からつなげよう」イベントの録音をまとめたライブアルバムが2016年7月6日に発売。このアルバムの収益の一部もチャリティに回されるとのこと。

これを買え!

アルバム: 種からつなげよう~笑ってて~
アーティスト: 種ともこ



# 本ポスト内容に隣接した件として、2016年4月の熊本地震で被災された方に心よりお見舞い申し上げます。

2016-06-30 Japanese Trackbacks::0 Comments::0

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