ゲルニカ - クラウド9

自分の曲を全てネットに置いていつでも聴けるようにできないか?

この期待に最初に応えたのは Amazon のようだ。
今日(2011/3/29: 米国時間では 3/28)、Cloud Drive と Cloud Player というサービスを立ち上げた。

Amazon のページ (英語)
TechCrunch の記事 [日本語] [英語]

いわゆる、「クラウド・サービス」というやつだ。ユーザーはネット上に 5GBの容量を無料で与えられ、Amazon 経由で購入した MP3 の楽曲ファイルを置き、ウェブや Android 携帯経由で聴けるようになるとのこと。ただし、当初は米国のみのサービスであり、まだ iPhone では使えないようだ。

機能は今後も拡張され、他社からも同様のクラウドサービスが立ち上がることだろう。まずは Amazon が好位置につけたが、オープンで使い勝手のよいサービスを期待したい。

というわけで、クラウド上ではこれを聴け!

アーティスト: ゲルニカ
タイトル: クラウド9

♪ 雲の上はご用心。何もかも逆さま!

ちょっと強引に話をつなげてみた。聴け!と言いながら、今回は必ずしも全ての人が気に入らないかもしれないシュールな曲である。

そもそもクラウド9とは何か?
ググると1億件も検索結果が出てくる。よってこれは一般語だ。
英語の意味は「雲の上のような、この上なく幸せな気分」。

元々は、アメリカの気象台が指定する9番目の雲(積乱雲)のことを指すようだ。この雲が空にかなり高く昇るため、「on cloud nine」というイディオムで「とても幸せな」という英語の意味になるそうだ。

こういう定番フレーズ「クラウド9」の言葉自体は色々な所で使われている。例えば曲名だけではなくバンド名、演劇名、ライブスタジオ名などなど。曲名としては今回紹介するゲルニカのものもあるが、それよりもはるかに明るく前向きなものもテンプテーションズやジョージハリスンなどが出している(タイトルだけ同じで中身は違う)。特にテンプテーションズの「クラウド9」はグラミー賞まで取った名曲で、元々の「この上なく幸せな気分」という意味により合っているため普通に音楽を楽しみたい場合はいいかも。

これに対し、ゲルニカの「クラウド9」はかなり変てこりんな曲で、メジャー度もゼロに等しい。しかし、ニッチに埋もれてしまっているゲルニカについて語る機をここで逸しては次はないかもしれないので、やや暗めではあるものの敢えて掘り起こすことにした。

ゲルニカはコンセプトがピンピンに尖っていた日本のグループだ。1982年頃に戸川純、上野耕路、太田螢一で結成され、大御所の細野晴臣(元YMO)がプロデュースしてアルバム3枚を残した。重厚なオーケストラや実力派のボーカルなどで昭和歌謡チックな独特のサウンドを作り、ノスタルジックな風景を視覚的に投影する。

ゲルニカ最大の魅力は、このような日本のおじいちゃん世代の古き良き文化を高いリアリティで追体験できることにある。戦後復興時など物質的に乏しかった時代の人々が有り合わせの音楽要素で表現してきた「前向きさ」や「心の豊かさ」。これをゲルニカは現代のリッチな技術で再現している(といっても80年台ではあるが)。その濃厚さゆえに一歩引いてしまいそうな音楽だが、壁を乗り越えると味が出てくる。

この曲「クラウド9」では戸川純が巻き舌をフルに効かせながら、「全てが逆さまになった雲の上に連れ去られる」という紙芝居風の架空世界を歌う。例えば「雲の上では17才の花婿と65才の花嫁がリムジンに乗って・・・」というような不思議なストーリーで想像の世界にいざなう。

その他のゲルニカ曲では、個人的には「ノンシャランに街角で」「或る雨の午後」「少年の一番の友」「パノラマアワー」「磁力ビギン」「戒厳令」なども好み。「復興の唄」というのもある。クセがあるので私としても全ての曲を気に入っている訳ではないが。

全体的に、災害が起こってしまった今こそ一層重みが増しているグループのように思う。

でも、必ずしも全ての人にお勧めするわけではないっす。
ちょっと変わったものを聴いてみたい、という気分の時にどうぞ。



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2011-03-29 Japanese Trackbacks::0 Comments::0

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